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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科30巻6号

1976年06月発行

原著

微量尿糖試験紙(Urotrace)による尿路感染症の診断的価値について

著者: 戎野庄一1 北川道夫1 三軒久義1 蔵野洋2

所属機関: 1国立大阪南病院泌尿器科 2国立大阪南病院中検細菌検査室

ページ範囲:P.487 - P.491

文献概要

 尿路感染症は泌尿器科領域のみでなく,小児科および婦人科領域などにおいても重要な疾患の一つである。そして尿路感染症の診断は1957年Kass1)によつて検体尿中に105個/ml以上の同一細菌がくりかえし検出されれば有意の細菌尿とするとの定義が提唱されて以来,尿中細菌定量培養が必須となつてきている。しかし,この定量培養は設備と時間を必要とし,臨床家が簡単に実施することができない。そこで近年,Triphenyl-Tetrazolium-Testなどの簡便な尿路感染症のScrecning testが開発されてきているが,まだ完全なものとはいえない。
 Schersten and Fritz(1967)2)が2mg/dl以下の尿糖値を示すものが有意細菌尿とよく相関し,これは尿が膀胱内に滞留中に尿中の細菌により尿糖が消費されると考えられると報告している。更に翌年3)には,微量尿糖を測定できる試験紙を考案し,その有用性を強調している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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