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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科30巻8号

1976年08月発行

文献概要

原著

閉鎖式持続導尿法による尿路手術後の尿流管理に関する臨床的研究

著者: 竹内弘幸1 牛山武久1 後藤修一1 鷲塚誠2

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部泌尿器科学教室 2都立大久保病院泌尿器科

ページ範囲:P.657 - P.662

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緒言
 治療上尿道にカテーテルをある期間持続して留置しなくてはならない場合には二つある。脊椎損傷患者をはじめとする排尿困難や尿失禁を伴う症例の尿流管理,慢性膀胱炎の治療あるいは尿路腫瘍などの尿路出血に対する凝血防止の目的で,月余にわたつて長期間施行する場合と,膀胱や前立腺などの尿路臓器の手術後に尿流を確保するために短期間施行する場合とである。
 いずれの場合も,尿道留置カテーテル法が治療上にもつ有用性の高さは言をまたないが,反面本法に伴つて必発する尿の細菌感染は時に腎盂腎炎の原因となつて患者の余命を短くすることさえあつて(Beeson,1955;MacDonaldら1957)無視できない問題である。しかも,その尿感染はほとんどの症例で数日のうちに発生する(Kass 1958)避け得られない事実であつたが,その感染経路の研究から,主として尿道カテーテルと導管との接合部および蓄尿器から細菌が逆行性に膀胱に侵入することが判明し,完全滅菌器具による閉鎖式持続導尿法がその防止法として紹介された(Dukes1928)。その後,多くの研究者がさまざまな器具と方法を考案したが(Gillespieら,1962;Robertsら,1965など),未だ完全な解決点には達していない。特に長期間の持続導尿の場合には単に器具だけの問題でなく,カテーテルの交換や患者側にも多くの問題があつて容易ではない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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