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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科30巻8号

1976年08月発行

交見室

腎癌の手術適応,他

著者: 竹内弘幸1

所属機関: 1東京医科歯科大泌尿器科

ページ範囲:P.718 - P.718

文献概要

 野口氏らの「下大静脈切除を行なつた腎癌摘出術の1例」(臨泌30巻5号)を興味深く拝見いたしました。
 著者らも述べているように腎癌の発見時期は他の悪性腫瘍に比して遅い。東京都内のような医学知識が普及した都市ならば比較的発見が早いかと思つて,手元にある当科の統計をみると31例中15例(48%)がT3(UICC分類)以上,つまり半数が脂肪被膜あるいは腎静脈への浸潤が証明された進行癌である。こうした症例に対する手術適応は予後の点だけから眺めれば,現段階では問題がある。しかし,著者らの症例のように強度の血尿から患者を解放するという純粋な臨床的要求からも,また治療法を前進させるためにもより高度な術技を開発していかなければならない。それがわれわれの使命でもある。こうした意味で著者らの試みは高く評価されるべきである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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