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原著
慢性前立腺炎の治療経験—特にカナマイシンの効用について
著者: 稲葉善雄1 大石幸彦1 菱沼秀雄1 町田豊平1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室
ページ範囲:P.55 - P.58
文献購入ページに移動慢性前立腺炎に対する治療法は未だに議論の多いところである1)が,化学療法が治療の中心的役割を果していることには間違いない2)。しかし慢性前立腺炎には起炎菌の証明されない症例が多く,したがつて原因菌の感受性検査も多くの場合不可能である3〜5)。このような理由から広域抗菌性抗生物質がこの疾患の治療に当つてまず使用されているが,前立腺組織への薬剤の移行濃度,化学療法剤による臨床効果あるいはその副作用などについても十分検討して使用しなければならないことはもちろんである。著者らはStameyら6,7)の実験に基づいて化学抗生剤の慢性前立腺炎に対する臨床的応用を検討してきたが,カナマイシンの効果が他剤に比べ卓越しているように思われるので,その結果をまとめてみた。
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