文献詳細
原著
前立腺癌のゲスターゲン療法における内分泌学的検討
著者: 大橋輝久1 森岡政明1 赤枝輝明1 高田元敬1 新島端夫1
所属機関: 1岡山大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.59 - P.63
文献概要
前立腺癌の女性ホルモン療法はHugginsら1)の報告以来,現在まで前立腺癌治療の主流をなしてきたが,女性ホルモンによる心血管系への副作用などが報告され2)再検討がなされつつある。一方,以前より婦人科領域で使用されている合成ゲスターゲン剤が1966年Scott&Schirmer3)により前立腺癌に使用され,副作用の少ない点を含む良好な結果が得られている。しかし,最近合成ゲスターゲン剤による副腎萎縮の可能性が,実験的あるいは臨床的に報告されている4〜6)。そこでわれわれは,今回合成ゲスターゲン剤の一種である酢酸クロルマジノン(CMA)を長期間使用している前立腺癌患者において,血漿テストステロン,コーチゾールその他を測定し若干の知見を得たので報告する。
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