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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科31巻1号

1977年01月発行

原著

尿道狭窄治療の新術式—経尿道的面視下手術(拡張,切開,切除)の試み

著者: 小柳知彦1 寺島光行1 辻一郎1

所属機関: 1北海道大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.65 - P.71

文献概要

緒言
 尿道狭窄の治療法ほど歴史的に古いものはなく,実際オーストラリア大陸原住民アボリネ族に伝わる尿道切開の風習などを考えた場合,医学史開始以前の石器時代にすでに尿道狭窄が問題であったことがうかがえる1)。したがつて治療法の変遷も著しいのであるが,現在では一応closed me-thod (非観血的治療)としての尿道ブジー,内尿道切開など,またopen method(観血的治療)としての尿道形成術などが各々適応に応じて行なわれており,各々について種々の変法と共にその結果についての報告も多数見られる。一方,泌尿器科的手術操作の最大の特徴ともいうべき内視鏡による尿道狭窄の治療法に関しては,困難な症例に対して糸状ブジーを内視鏡的に挿入する方法とか2),時に狭窄に合併する尿道癌などの診断上の意義のみに限られている。経尿道的に狭窄部を直視下で切開する方法は従来から多くの人に試みられてきた方法かも知れないが,まとまつた報告は僅かにOrandi3)のそれしか見られない。しかし,この方法では①糸状ブジーにてまず狭窄部を拡張する必要があること,②会陰部尿道切開にて術中灌流液の流出を促進しているなど必ずしも容易な方法とはいえない。4,5年前よりわれわれが行なつている経尿道的手術法はこれらの難点を除いた簡便な方法で患者への侵襲も僅かである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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