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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科31巻10号

1977年10月発行

Urological Letter

腎部分切除に用いたAvitene(MCH)の効果,他

ページ範囲:P.878 - P.878

文献概要

 シカゴで行なわれた今年の米国泌尿器科学会年次総会でDr.Gucrriero & Dr.Hanishが腎外傷例に対してのAvitene(Micro-Crystalline hemostat)の使用経験を発表した。他科の手術者達もすでにそれぞれの科の症例,たとえば脾臓や肝臓の外傷,婦人科手術,骨からの出血,脳神経外科手術などに使用して効果的だつたことを報告している。
 筆者らもこの製剤を最近2例の腎部分切除例に使つてみたが,この限りでは著しい進歩である。必要な区域動脈を結紮し,切除する部分の被膜を剥ぎ,患部を鋭的に切除する。割面にあらわれた比較的大きい血管はその場で4-0クロミックで結紮し,つづいて開かれた腎杯ないし腎孟を同大のクロミックで閉鎖する。次に創内にMCHを少しもこぼさぬように注意して腎の創面にMCHの包みをのせておき,乾いたRussianピンセットを用いてMCHの粉末を腎の創面全体に塗布する。そして乾いたガーゼで5分間おさえておく。ガーゼを取り除いたときには腎創面はすつかり乾いている。MCHの残つているものは,出血させないように注意しながら,ピンセットで取り除く。こうすれば腎創面に止血剤が残ることはほとんどない。このあと処置した腎の創面の上に3−0クロミックで被膜を連続縫合してかぶせる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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