文献詳細
症例
Medullary sponge kidneyに合併したincompleterenal tubular acidosisの1例
著者: 松尾重樹1 熊谷郁太郎1 三浦邦夫1 宮川征男1 桑原正明1
所属機関: 1秋田大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.895 - P.898
文献概要
renal tubular acidosis(以下RTA)は,一般にdistal RTA, proximal RTAとに分類されているが,泌尿器科領域においては結石を形成しやすいdistal RTAが問題となる。最近distal RTAのpreacidotic stage1)とも言われているincompleteRTAの存在が知られるようになり,欧米では1959年WrongとDavies2)の報告以来27例が認められ,本邦では1976年平塚ら3)によつて初めて1例が報告された。incomplete RTAは尿酸性化障害を示すにもかかわらず,代謝性アシドーシスを伴わない点を特徴とするが,distal RTAとは違つてその病態生理の詳細については不明である。
私たちは最近medullary sponge kidneyに合併したincomplete RTAの珍しい1例を経験したので報告する。
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