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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科31巻10号

1977年10月発行

症例

残存尿管から発生した膀胱腟瘻の1例

著者: 高松恒夫1 寺島光行1 兼田達夫1 小柳知彦1

所属機関: 1北海道大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.919 - P.922

文献概要

緒言
 幼小児の膀胱腟瘻は,外傷性あるいは医原性(主として膀胱頸部切除術に基因1,2))のものを除くと極く稀であり,文献的にcongenital vesico-vaginal fistulaとして今まで4例の報告があるのみである3〜6)(第1表)。手術操作,術後感染などに直接原因を求めることのできないspontaneous vcsico-vaginal fistulaの報告例は今までには見られていないようである。
 今回われわれは,膣内異所開口尿管による尿管性尿失禁を主訴とした女児に対し,腎摘出術を行ない,術後4年間は尿失禁は消失していたが,4年後に再度尿失禁が出現するようになり,諸検査の結果,尿失禁の原因が膀胱—残存尿管—膣瘻によるものであることがわかり,瘻孔閉鎖術にて尿失禁を消失せしめ得た8歳女児例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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