文献詳細
手術手技
文献概要
まえがき
種々の原因により,容量の減少した膀胱に対する治療として,従来より腸管のいろんな部位を利用した膀胱拡大術が行なわれて来た。われわれは,S状腸が(1)骨盤内貯蔵臓器であること,(2)完全な腹膜外化が可能なこと,(3)腸間膜が腹腔内で隔壁とならず術後イレウスの危険性が少ない,(4)尿管が正常位置で吻合可能なこと,(5)筋層が厚いこと,などの長所を有している点に注目し,1961年はじめより,種々の萎縮膀胱拡大にS状腸を利用し1),1977年4月までにすでに66例を経験し,満足すべき結果を得ているので,われわれの行なつているS状腸利用膀胱拡大術(Partial colocystoplasty)の手術手技について述べる。
種々の原因により,容量の減少した膀胱に対する治療として,従来より腸管のいろんな部位を利用した膀胱拡大術が行なわれて来た。われわれは,S状腸が(1)骨盤内貯蔵臓器であること,(2)完全な腹膜外化が可能なこと,(3)腸間膜が腹腔内で隔壁とならず術後イレウスの危険性が少ない,(4)尿管が正常位置で吻合可能なこと,(5)筋層が厚いこと,などの長所を有している点に注目し,1961年はじめより,種々の萎縮膀胱拡大にS状腸を利用し1),1977年4月までにすでに66例を経験し,満足すべき結果を得ているので,われわれの行なつているS状腸利用膀胱拡大術(Partial colocystoplasty)の手術手技について述べる。
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