文献詳細
症例
前立腺摘除術後セラチアによる敗血症を来した1症例
著者: 福谷恵子1 篠原充1 岸洋一1 河村毅1 小磯謙吉1
所属機関: 1東京大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.255 - P.258
文献概要
セラチアは従来,病原性のないグラム陰性桿菌と考えられていた。しかし近年,抗生物質の目覚しい発達により感染症に質的変貌が生じ,その一つとしてセラチアによる感染症の報告が増加しつつある。時にはこれが重篤な敗血症に移行することもあり,セラチア感染症は臨床上重要な問題となつてきている。著者らは最近,前立腺摘除術後,セラチアによる敗血症を来した1症例を経験したのでこれをここに報告し,セラチア感染症,特に敗血症の問題点につき簡単に論じたい。
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