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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科31巻4号

1977年04月発行

文献概要

原著

回盲膀胱形成術Ileocecal cystoplastyに対する検討

著者: 加藤哲郎1 桑原正明1 石川清1 根本良介1 松尾重樹1

所属機関: 1秋田大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.321 - P.326

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 膀胱結核あるいは間質性膀胱炎などに起因する萎縮膀胱に対しては,古くから腸管を用いた膀胱形成術が行なわれている。回腸膀胱形成術ileocy-stoplastyとS字結腸膀胱形成術sigmoidcystoplastyが最も一般的な方法であり,諸家によつてこれら術式の成績が論ぜられている1〜10)。これに対してGil-Vernet(1965)11)は回盲部をそのまま利用する尿管—回腸・盲腸—膀胱吻合術,すなわち回盲膀胱形成術ileocecal cystoplastyを試み,この術式が種々の点で優れたものであることを示唆した。Turner-Warwick12)も回盲膀胱形成術が多くの点で優れた膀胱形成術であろうと述べている。
 われわれは萎縮膀胱に対して従来もつぱら回腸膀胱形成術を行なつてきたが,膀胱尿管逆流(VUR)や残尿に関して必ずしも満足できる成績は得られなかつた。そこで最近当科に入院した結核性萎縮膀胱に対して回盲膀胱形成術を試みたところ,ほぼ所期の目的を達することができた。ここに術式と症例を紹介し,本術式に関して検討を加えてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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