文献詳細
原著
骨盤内悪性腫瘍に対する腎瘻術施行症例の予後について
著者: 平野章治1 沢木勝1 島村正喜1 岡所明1 中下英之助1 大川光央1 黒田恭一1
所属機関: 1金沢大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.395 - P.400
文献概要
悪性腫瘍の転移,浸潤により腎機能不全に陥り,尿路変向術を余儀なくされる場合は少なくない.尿路変向術の術式には多くの種類があるが,末期の悪性腫瘍の場合には,生存期間に限界があることおよび手術侵襲度を少なくすることから今なお腎瘻術,尿管瘻術が多くの泌尿器科医により繁用されている。
当教室においては近年腸管を利用した尿路変向術施行症例も増加しつつあるが1),悪性腫瘍による腎機能不全症例に対する尿路変向術としては,腎瘻術を主体として施行している2,3)。今回われわれは1968年1月より1975年12月にいたる8年間に,腎瘻術を施行した悪性腫瘍症例(以下,腫瘍症例と略す)につき予後を中心として臨床的検討を行なつたので報告する。
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