文献詳細
統計
東京慈恵会医科大学泌尿器科における最近10年間(1966年〜1975年)の上部尿路変向術の臨床統計的観察
著者: 小路良1 陳瑞昌1 佐々木忠正1 増田富士男1 町田豊平1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室
ページ範囲:P.451 - P.457
文献概要
尿路変向術は,腎より下部の尿路に決定的な傷害が生じた時に腎機能保持のために行なわれる治療法の一つである。この手術によつて,本来の尿路機構としての条件が完全に満足されるならば理想的であるが,今日,生理的尿路機構を完全に保持した尿路変向術はまだ完成されていない。
カテーテル挿入式の腎瘻や尿管皮膚瘻術は腎から直接,尿を排出するといら点はすぐれているが,腎,尿路への感染という点では好ましい治療法とは言い難い。また,腸管利用の尿路変向術は感染という開題から解放されカテーテルの使用はないが尿失禁は解決されず,完全に理想的なものとは言えない。しかし,腎機能の保持の必要性から様々な尿路変向術を日常,採用せざるを得ない。
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