文献詳細
綜説
文献概要
はじめに
夫婦の間に子供ができない場合,その責任は専ら女性にあると考えられてきた。この偏見は,顕微鏡の発見によつて精液中の精子が確認されてからも変わらず,その治療も女性側にのみ課せられてきたのが現状である。この事実は,射精能即授精能といつた安易な考えによるとも思われる。しかし,最近,女性の地位の向上も相俟つて,不妊の原因の過半数は男性側に存在すること,また,病因,程度によつては妊孕可能の状態に導くことができることが認識されるようになり,男性側の不妊因子の検索,さらにその治療が一般にも普及されはじめてきた。今回は,病因別にみた男性不妊の治療方法とその効果,さらに将来の展望についても概述したい。
夫婦の間に子供ができない場合,その責任は専ら女性にあると考えられてきた。この偏見は,顕微鏡の発見によつて精液中の精子が確認されてからも変わらず,その治療も女性側にのみ課せられてきたのが現状である。この事実は,射精能即授精能といつた安易な考えによるとも思われる。しかし,最近,女性の地位の向上も相俟つて,不妊の原因の過半数は男性側に存在すること,また,病因,程度によつては妊孕可能の状態に導くことができることが認識されるようになり,男性側の不妊因子の検索,さらにその治療が一般にも普及されはじめてきた。今回は,病因別にみた男性不妊の治療方法とその効果,さらに将来の展望についても概述したい。
掲載誌情報