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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科31巻6号

1977年06月発行

文献概要

手術手技

膀胱尿管逆流の防止術—Paquinの変法

著者: 小柳知彦1 山田智二1

所属機関: 1北海道大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.501 - P.505

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緒言
 1952年Hutch1)が膀胱尿管逆流(VUR)の重大性と,その手術的治療を提唱して以来この問題に関する知見の進歩,変遷には目を見張るものがある。1958年Politano-Leadbetter2),1959年Paquin3)の論文に見られるごとく,当時の尿管膀胱接合部(以下UVJと略す)の逆流防止機構に関する考えは,主として一定の長さを有する粘膜下尿管がその下の膀胱後壁に対して膀胱充満時,あるいは排尿時にpassiveのflap valve作用をもつためとされていた。しかし,1963年以来Tanagho,Pugh,Hutchら4〜6)にょり,UVJの解剖生理に関する新知見が次々と発表され,primary VURの病態生理も一層明確なものとなつてきた。すなわち①UVJは尿管と膀胱底の三角部筋が一体となつて構成し,②逆流を許すUVJではi)尿管下端の筋構築に脆弱性,断裂などの異常が認められるのみならず,ii)三角部筋にも同様の所見があり,これらは尿管口の形態,位置,三角部の大きさ,緊張などの程度と密接な関係があること7),そして③primary VURは尿管,三角部筋が一体となってactiveに作動している逆流防止機構が先天的に異常なために起こるとされている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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