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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科31巻7号

1977年07月発行

綜説

インポテンツの心理療法

著者: 赤木稔12

所属機関: 1九州大学医学部心療内科 2PL東京健康管理センター

ページ範囲:P.573 - P.580

文献概要

はじめに
 男性の性的不適応現象,すなわちインポテンツは器質的なものは極めてすくなく,ほとんどが心理的要因,あるいは機能的なものであることは既に周知のことである。たとえば背景に糖尿病のごとく,機質的な要素が考えられる場合でも,詳細に調べてみたり治療を試みると,意外に心理的役割が大きいことを認めることも,必ずしも稀ではない。
 インポテンツの治療については,1960年代になつてから二つの大きな流れが確立して,従来の仕方をすつかり変えてしまつたといつても過言ではないだろう。二つの研究の一方は,Wolpeによつて打ち建てられた行動療法の一部で,彼によれば性的反応と呼ばれる治療技法である。他の一つはMasters & Johnsonの治療で知られている。Ma-stersは最初"人間の性反応"(Human Sexual Response)の著書をあらわして,そのエネルギッシュな性生理学の研究で,世に問うところ多大であつた。したがつていくつかの新知見も得られている。たとえば女子性器の陰核は,オルガスムにおいては,今まで考えられていたのとは全然逆に埋没してしまうという生理学的変化などがあげられる。そして二冊目の著書,"人間の性不適応"(Human Scxual Inadequacy)において,性不適応の臨床,すなわち独特の治療法が展開されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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