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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科31巻7号

1977年07月発行

原著

針麻酔下での経尿道的手術

著者: 田中亮1 樋口照男1 阿部定則2

所属機関: 1東芝中央病院泌尿器科 2東京大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.615 - P.619

文献概要

緒言
 針麻酔下での手術成功の報が中国より伝えられて以来1),日本でも針麻酔下での手術例が報告され2〜5),術中患者の意識が明瞭であることおよび術後経過の良好なことが注目されている。
 針麻酔の鎮痛機序および針麻酔時の生体の変化も研究されているが6,7),十分な鎮痛を得るためにはツボと言われる部位に刺激を与え続け,独特な「だるい,しびれる,重い,はれぼつたい」と言つた「得気」が持続しなければならないと考えられている8)。針麻酔は実体が解剖学的に不明なツボおよびその刺激によつて生じる「得気」という患者の感覚に基礎を置いているので,術者も患者も必ず鎮痛が得られるという確信のもてないことおよび十分な筋弛緩作用が得られないことが薬剤麻酔技術の発達した現在では特別の場合を除いては針麻酔を選択することを躊躇させる原因であると思われる。われわれは薬剤麻酔がためらわれる患者に筋弛緩を必要としない手術を行なう場合には針麻酔は十分に応用できると考え,針麻酔下で8例の経尿道的手術を行なつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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