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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科31巻8号

1977年08月発行

症例

陰嚢部Paget病による腎後性無尿の1例

著者: 小路良1 谷野誠1 荒井由和1 小寺重行1 高坂哲1 町田豊平1 上出良一2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室 2東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.725 - P.728

文献概要

緒言
 Paget病(Paget's disease)は乳房および乳房外のアポクリン腺分布領域に発生する特有の Paget細胞をもつた皮膚疾患である。乳房Paget病は乳腺癌の表皮内転移により発生するが,乳房外Paget病はその病因に未だ不明な点が多く,臨床的にも難治性の湿疹様皮膚疾患として扱われ不適切な治療を受けることが多い。これまで,乳房外Paget病は比較的良性な癌前駆症として取り扱われてきたが,進行するとリンパ節さらに全身諸臓器に転移をきたし,近年はPaget癌として処置されつつある。
 われわれは陰嚢部に発生したPaget病から後腹膜腔尿管に浸潤,転移を起こし,腎後性無尿をきたした,稀な1例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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