文献詳細
綜説
前立腺癌の放射線療法
著者: 河合恒雄1 武田尚1 津屋旭2 金田浩一2 福島修司3
所属機関: 1癌研究会附属病院泌尿器科 2癌研究会附属病院放射線科 3元癌研究会附属病院泌尿器科
ページ範囲:P.761 - P.772
文献概要
前立腺癌の放射線療法はこの25年間主として米国において発展したが,未だ確立された治療方式はない。わが国ではestrogen療法が主流をしめているが,それには限界があつて,他の治療法が開発されつつあり,放射線療法もその一つとして試みられている。わが国の超高圧治療装置の保有台数は,1976年3月現在cobalt,cesium装置が543台,linear accelerator(linacと略)108台,betatron47台,計698台である1)から今後盛んになることと思う。
癌研では1964年9月より,linacによる前立腺癌放射線療法を始めた。大部分がホルモン療法併用例であるが,1976年5月まで54例に達した。Es-trogen服用量,期間はまちまちで,除睾術は54例中13例に施行した。その成績(第1図)は全国統計よりよいが,竹内ら2)のestrogen大量長期間投与例の成績とほぼ同じである。
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