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原著
神経因性膀胱に対するphenoxybenzamine投与の経験—尿道内圧曲線,膀胱内圧曲線・尿道外括約筋筋電図同時記録による検討
著者: 西沢理1 山口脩1 塩谷尚1 坂本文和1 原田忠1 土田正義1
所属機関: 1秋田大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.803 - P.807
文献購入ページに移動α-blocker作用を有する薬剤が,尿道内括約筋の過緊張に起因する排尿困難症例に効果を示すことは,Kleeman1),Krane&Olssonら2,3)により明らかとなった。すなわちα-blockerは尿道内括約筋に存在するα受容体に作用して,括約作用を弱めるわけである。現在すでに欧米では,その目的のために広く用いられているが4〜11),本邦では欧米のような普及はこれからという現状である12)。
今回私たちは排尿困難を訴える4例の神経因性膀胱症例に対してphenoxybenzamine (以下POBと略す)を経口投与したが,その際,投与前後における尿道内圧曲線(以下UPPと略す)13)および膀胱内圧曲線と尿道外括約筋筋電図の2者同時記録14)を行ない,二,三の知見を得たので報告する。
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