文献詳細
手術手技
膀胱腟瘻の手術—恥骨上膀胱腟瘻閉鎖術(経膀胱式膀胱腟瘻閉鎖術)
著者: 園田孝夫1 水谷修太郎1 佐川史郎1 板谷宏彬1 長船匡男1 松田稔1
所属機関: 1大阪大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.917 - P.921
文献概要
1957年から1976年までの20年間に大阪大学泌尿器科教室において取り扱つた膀胱腟瘻患者数は46例である。このうち28例が1957年から1966年の最初の10年間に,また残りの18例が1976年までの後半の10年間に経験された症例である。すなわち最近の10年間についてみると泌尿器科入院患者3,043例中18例,すなわち膀胱腟瘻は0.53%にすぎず,産婦人科手術手技の向上あるいは放射線照射療法の技術的改善が膀胱腟瘻発生頻度の低下に貢献しているものと思われる1〜3)。原田(1966)1)は28例の膀胱腟瘻のうち観血的療法を施行した24例中9例(37.5%)にしか完治せしめ得なかつたと報告しているが,これらの症例のほとんどが過去平均2回の修復手術をうけたものであるために正確な完治率とはなつていないと思われる。
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