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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科32巻3号

1978年03月発行

文献概要

綜説

最近の淋疾の動向

著者: 斉藤功1

所属機関: 1東京共済病院泌尿器科

ページ範囲:P.207 - P.217

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はじめに
 今年は奇しくも,Neisserが淋菌を発見してからちようど100年をむかえている。この間淋菌の診断,治療法に対する進歩は著しいものであるが,はたして淋疾患者の動向はどのようになつているのであろうか。
 本疾患の適正な予防,治療対策を講ずるためには,患者の実態を正確に把握することが大切である。しかし,本邦における患者動態は,残念ながらここ20年明らかでない。この理由は,化学療法の進歩により,優れた抗生剤の出現があまりにも簡単に淋疾の軽快をもたらしたため,医師はもちろん患者にも同疾患を軽視する傾向がみられ,患者は開業医,あるいは薬局からの買薬で治療,大学病院や検査室の完備した病院への受診が減少していることと,更には本邦の淋疾研究者,ならびにそれらに関する論文が極端に少なく,本疾患の動態を知るには外国文献に多くを頼らねばならない現況であること,などによるものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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