文献詳細
原著
腹圧性尿失禁—診断と治療
著者: 斉藤博1 加藤幹雄1 牛山武久2 平賀聖悟2 仲山実2 岡田耕市3
所属機関: 1東海大学医学部泌尿器科学教室 2東京医科歯科大学医学部泌尿器科学教室 3埼玉医科大学泌尿器科学教室
ページ範囲:P.251 - P.255
文献概要
腹圧性(stress)および緊迫性尿失禁(urge incon-tinence)の定義とか,その診断基準については必ずしも一定の見解が得られているわけではない。厳密な鑑別診断を強調するWolin(1969)1),Cantor(1971)2),Frewen(1972)3)らに対して,その鑑別診断は必ずしも容易ではないとするBates(1973)4)らの見解が対立し,診断基準5)やそれに伴う症例の選択の差により,各報告者の治療成績も多少異なつている。
本邦においては腹圧性尿失禁を主訴として来院する女性の数はそれ程多いものではないが,来院しない患者の数はかなり多いと考えられる。しかし,最近になつて徐々に来院患者数は増加の傾向を示し,著者も45例経験し,その臨床像および治療成績を検討したので報告する。
掲載誌情報