文献詳細
手術手技
文献概要
まえがき
骨盤骨折に伴う後部尿道損傷の後遺症としての尿道狭窄は,場所が深く視野が悪いので手術は難しく,形成術は最も困難な手術とされている。深部のため端々吻合は不可能であるので,ほとんどがpull through法によつて形成されている。尿道狭窄が広範囲の場合やpull through法が不成功のとき,従来は尿流変更以外によい方法がなかつた。
しかし,Michalowski und Modelski (1962)1)によつて,陰嚢皮弁を利用して尿道を形成する術式が発表されてから,どんなに広範囲の尿道狭窄でもこの術式(以下M法とする)で解決されるので,尿流変更という患者にとつていやな治療法がなくなつて患者は大いにその恩恵を受けている。しかるに,外傷が高度な場合,始めからpull thr-ough法を諦めて回腸導管を奨めたり,pull thr-ough法を行なつて不成功の後,膀胱瘻を設置している症例をみる。かかる場合こそこのM法を試みるべきである。尿流変更が避けられたなら,患者は蓄尿袋をぶらさげることから救われるというものである。
骨盤骨折に伴う後部尿道損傷の後遺症としての尿道狭窄は,場所が深く視野が悪いので手術は難しく,形成術は最も困難な手術とされている。深部のため端々吻合は不可能であるので,ほとんどがpull through法によつて形成されている。尿道狭窄が広範囲の場合やpull through法が不成功のとき,従来は尿流変更以外によい方法がなかつた。
しかし,Michalowski und Modelski (1962)1)によつて,陰嚢皮弁を利用して尿道を形成する術式が発表されてから,どんなに広範囲の尿道狭窄でもこの術式(以下M法とする)で解決されるので,尿流変更という患者にとつていやな治療法がなくなつて患者は大いにその恩恵を受けている。しかるに,外傷が高度な場合,始めからpull thr-ough法を諦めて回腸導管を奨めたり,pull thr-ough法を行なつて不成功の後,膀胱瘻を設置している症例をみる。かかる場合こそこのM法を試みるべきである。尿流変更が避けられたなら,患者は蓄尿袋をぶらさげることから救われるというものである。
掲載誌情報