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手術手技
後部尿道狭窄の手術—球部側方到達法
著者: 舟生富寿1 鈴木唯司1 成瀬克邦1 三国恒靖1 浜田和一郎1 遠藤衞1
所属機関: 1弘前大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.321 - P.325
文献購入ページに移動男子尿道は振子部,球部,膜様部および前立腺部に分類される。したがつて尿道狭窄に対する外尿道切開術は,その解剖学的関係から各部に適応した術式が試みられているが,大きく分けて2通りある。1つは尿道粘膜同士を端々吻合するか,粘膜帯をつくりその再生を利用する方法,もう1つは皮膚管をつくり欠損部を補充するか,皮膚帯を埋没してその再生を利用する方法である。
比較的広範囲の尿道狭窄に対する手術法では,振子部に対するJohansonの原法1),球部,膜様部に対するJohansonの変法,また前立腺部に対するBadenoch氏法2),Gil Vernet法3),などがある。他方比較的小範囲の尿道狭窄に対しては,Dugas4),Mac Gowan5),Dodson6)の方法がある。これらは決して難しい手術法ではないが,尿道球部,膜様部に達するまでの手技において手術野が狭くかつ深いため,手術操作に習熟を要し,更に尿道海綿体球部を切開するため不必要な出血も伴われる。
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