icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科32巻4号

1978年04月発行

文献概要

文献抄録

膀胱癌の部分切除について

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.375 - P.375

文献購入ページに移動
 膀胱癌の部分切除は以前程積極的に行なわれなくなつたが,部分切除を行なう症例の選択に気をつけるならば,術後も生理的経路の排尿が可能なので大いに推漿すべき方法である。
 著者らは本法の適応例として,腫瘍がhigh gradeのものであつても,位置的に後側壁にあつて可動性のものは本法がよいとしている。腫瘍の位置が三角部,膀胱頸部にあつて浸潤,悪性度の高いもの,in situの癌,粘膜のatipiaの強いものなどは本法の適応とならない。著者らは本法を施行して予後を観察し得た101例について臨床経過を述べている。101例中男性85例,女性16例で,年齢は34歳から82歳までであつた。Stage O,Aは本来TURを行なうが,大きさ,位置の関係で部分切除を施行した。Stage別の5年の予後は0-9/9(100%),A−23/29(79%),B1−17/21(80%),B2−10/22(45%),C−1/17(6%),Grade別の5年予後は1-8/8(100%),Ⅱ−26/27(96%),Ⅲ−20/41(48%),Ⅳ−7/25(28%)であつた。術後の再発についてみると,101例中49例(49%)に再発をみた。このうち1年以内の再発例は24例である。5年予後はB2,C stageのものに悪いが,この内でも腫瘍が三角部に近く尿管再吻合したものにおいて殊に悪い結果であつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら