文献詳細
症例
真菌性腎孟腎炎(Candida albicans)の治験例
著者: 仁藤博1 東海林文夫1 小松秀樹1
所属機関: 1武蔵野赤十字病院泌尿器科
ページ範囲:P.571 - P.575
文献概要
真菌類の1つであるCandidaによる尿路感染症は稀な疾患とされているが,抗生物質,副腎皮質ホルモン,免疫抑制剤,抗腫瘍剤などの使用が盛んになるにつれてその発生が増加していると言われている。Candidaは皮膚,口腔,腟などに常在する非病原性真菌であるが,これが何らかの原因で病原性を有して発症する表在性Candida症については皮膚科,婦人科などに古くから存在するが,呼吸器や腎などに感染発症する深在性Candidaの症例は稀であり,その難治性とともに近年大きな関心がはらわれている。われわれは最近糖尿病を伴う膀胱腫瘍術後の尿管皮膚瘻造設患者に発生したCandidaによる腎孟腎炎を経験し,5-Fluo-rocytosineの劇的効果により治癒せしめたので報告する。
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