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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科32巻7号

1978年07月発行

文献概要

Urological Letter

腎盂のブラシ生検/精管結紮(切断)術に剃毛は必要か

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.623 - P.623

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 腎盂ないし腎杯内の疑わしい充盈欠損の処理は術前診断の確定が困難であるという理由で常に問題になる。近頃逆行性ブラシ生検法がWilliam B.Gillによつて初められ,多くの人によつて採用されている。筆者はSageProducts製用具を求め,製作者の使用説明書に従つて4例にブラシ生検法を行なつてみた。このうち3例とも不満足な結果だつたし,4例目に至つてはまるでひどいことになつた。第1例目では腫瘍組織を得ることには成功したが,患者は激しい疝痛を起こし,一時的ではあつたが,腎不全を起こした。第2例も激しい痛みと腎不全を起こしたし,腎摘してみたら広汎な壊死が起こつていた。他の2例ではワイヤーガイドを入れ,その上に少し太目のカテーテルを入れようとしたが傷つけがちなので中止した。代りに先端に孔のあいた8号のカテーテルを充盈欠損のある部分にまで挿入し,ガイドワイヤーの先を少し曲げカテーテルの中に入れ,ひねりながらカテーテルの孔を出し入れした。そしてつづいて腎盂を生理食塩水で洗浄してかなりな量の細胞成分を得た。
 この経験から,先端に孔をあけそれにブラシをつけたもので,もつと副損傷の起こらないカテーテルが作れるのではないかと考えた。恐らくもう少し小さいブラシを膨大部に入りこませておき,それを腎盂の適当な場所で押し出し,回転させることができるだろうと考えている(付図参照)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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