文献詳細
手術手技
文献概要
腎の一部を切除する手術は,すでに1867年にSpiegelbergによつてechinococcus cystが腎極に生じたものに対して行なわれている。その後,Czerny(1887),Kummell(1890),Waitz(1891),Israel(1901)らの報告があり,腎結石についてはKummellをはじめKoenig(1919),Young(1924),外傷についてはKeelty(1890),Baudenheuer(1891)の記載がある。そして1951年に至つてDuforは736例の腎部分切除術症例の文献的考察を行なつており,本術式が一般に多く施行されるようになつた。その適応も腎結石に多く,下腎杯に結石の再発が多く,その原因の内に腎杯壁の石灰化あるいは瘢痕化があげられて,腎多発結石においては下極の切除は現在も多く行なわれ,結石の再発防止に統計的にも効果をあげている。その他腎の限局性病巣が適応となる。その中には結核, 単腎または両側腎腫瘍,重複腎盂の一方の実質に機能喪失を認めた場合,区動脈による高血圧で腎梗塞を伴うもの,限局した動静脈奇形で血尿をくりかえすもの,限局性慢性炎症による変化(膿瘍あるいは組織化)などがあげられる。特に,最近はbench surgeryにも応用されている。
部分切除術の出現普及とともに適応範囲も広くなり,また手術手技上の問題も工夫され改良されてきた。
部分切除術の出現普及とともに適応範囲も広くなり,また手術手技上の問題も工夫され改良されてきた。
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