文献詳細
シンポジウム 血管カテーテル法による診断と治療・1
文献概要
血管カテーテル法の歴史はかなり古く,1936年に市川名誉教授が,大腿動脈の分枝からカテーテルを挿入して腹部大動脈およびその分枝を描出する市川式撮影法を発表されたが,これがカテーテルによる大動脈造影法のはじまりである。その後Seldinger法(1955)が登場し,今日のごとき普及をみるに至つた。本学会では第53回総会(1965)に宍戸会長により,大動脈造影がはじめてシンポジウムとして採り上げられ,私が司会の栄に浴した。
血管カテーテル法による診断には,血管造影のほかにホルモン測定などの重要な検査法があり,治療面についてみると,進行癌を主対象とした抗癌剤動注法があり,最近に至り腎癌,腎出血などに対する経カテーテル腎動脈塞栓術も行なわれつつある。このように泌尿器科領域における血管カテーテル法の応用は広範にわたつており,診断面ではシンチスキャンや超音波断層法などの侵襲度の小さい検査法も登場しているが,これらはスクリーニング的価値が大きく,現段階では本法が泌尿器科疾患の診断および治療における重要な地位を確保している。
血管カテーテル法による診断には,血管造影のほかにホルモン測定などの重要な検査法があり,治療面についてみると,進行癌を主対象とした抗癌剤動注法があり,最近に至り腎癌,腎出血などに対する経カテーテル腎動脈塞栓術も行なわれつつある。このように泌尿器科領域における血管カテーテル法の応用は広範にわたつており,診断面ではシンチスキャンや超音波断層法などの侵襲度の小さい検査法も登場しているが,これらはスクリーニング的価値が大きく,現段階では本法が泌尿器科疾患の診断および治療における重要な地位を確保している。
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