文献詳細
原著
血管カテーテル法による副甲状腺機能亢進症診断の試み
著者: 日台英雄1 近藤猪一郎2 公平昭男2 里見佳昭3 中橋満3 古畑哲彦4 小川勝明4 福島修司5 塩崎洋6
所属機関: 1横浜市立大学医学部泌尿器科 2神奈川県立成人病センター泌尿器科 3横須賀共済病院泌尿器科 4国立横須賀病院泌尿器科 5横浜市民病院泌尿器科 6川崎市立井田病院泌尿器科
ページ範囲:P.75 - P.81
文献概要
再発性尿路結石は患者を苦しめることはもちろんであるが,われわれ泌尿器科医もまたその治療と再発予防に関し苦慮させられている。これら患者の内で約5%1,2)はその原因を原発性副甲状腺機能亢進症(以下原発性HPTと略)にもとめることができるとされているが,本邦で報告されている原発性HPT症例はきわめて少ない。この理由としては原発性HPTの診断ことに局在性診断が困難な点をあげることができる。近年これら問題を解決すべく甲状腺リンパ造影3),サーモグラフィ4),副甲状腺スキャン5),甲状腺スキャンと組み合せて両者をコンピュータによりサブトラクションする方法6),特殊カメラによる食道撮影7)などが試みられているが,依然として一般に承認された診断法は見出されていない。
副甲状腺腫瘍に内分泌活性がある点を用いた選択的甲状腺静脈血採血による局在性診断8〜11)および選択的甲状腺動脈撮影による腫瘍描出12〜14)が近年Shimkinらにより行なわれ好成績が報告されている。われわれも原発性HPTの疑われた18例に対し血管カテーテル法を用いたこれら方法を試みたのでその経験と成績を報告する。
掲載誌情報