文献詳細
綜説
文献概要
はじめに
近年,睾丸機能に関する研究は,性ステロイドホルモンおよび下垂体性ペプタイドホルモンのラジオイムノアッセイ(RIA)による微量測定法の確立,ゴナドトロピン,アンドロゲンのレセプターアッセイの開発,また超微細構造および分子生物学的研究の導入により飛躍的な進展を示し,間脳—下垂体—睾丸系の相互調節機構,アンドロゲンの作用機序および造精機構の諸問題が次第に明らかにされつつある。このような基礎的研究の進歩はこの方面の臨床医学にも大きな影響を与えている。ここでは日常の泌尿器科臨床に際し,外性器異常,性器発育不全,男子不妊症などを愁訴として外来を訪れてくる患者に対して行なう睾丸機能検査の方法,結果の判定,臨床的意味づけを中心に述べるつもりである。これらの検査の意義に対する理解を助けるために睾丸機能に関する最近の概念について解説し,さらに睾丸機能検査の適応となる主な疾患についてごく簡単に述べる。
近年,睾丸機能に関する研究は,性ステロイドホルモンおよび下垂体性ペプタイドホルモンのラジオイムノアッセイ(RIA)による微量測定法の確立,ゴナドトロピン,アンドロゲンのレセプターアッセイの開発,また超微細構造および分子生物学的研究の導入により飛躍的な進展を示し,間脳—下垂体—睾丸系の相互調節機構,アンドロゲンの作用機序および造精機構の諸問題が次第に明らかにされつつある。このような基礎的研究の進歩はこの方面の臨床医学にも大きな影響を与えている。ここでは日常の泌尿器科臨床に際し,外性器異常,性器発育不全,男子不妊症などを愁訴として外来を訪れてくる患者に対して行なう睾丸機能検査の方法,結果の判定,臨床的意味づけを中心に述べるつもりである。これらの検査の意義に対する理解を助けるために睾丸機能に関する最近の概念について解説し,さらに睾丸機能検査の適応となる主な疾患についてごく簡単に述べる。
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