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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科33巻11号

1979年11月発行

手術手技 外来小手術のコツ

尿道カルンクルの切除術

著者: 近藤捷嘉1

所属機関: 1高知県立中央病院泌尿器科

ページ範囲:P.1061 - P.1062

文献概要

はじめに
 カルンクル(尿道小阜)は中年以後の経産婦に多くみられ,外尿道口を中心に発生し,その部位は尿道後壁が主たるものである。カルンクルは暗赤色を呈し,圧痛を認め,容易に出血する。症状としてはカルンクル本来の腫瘍形成,疼痛,出血などとともに,頻尿,排尿痛などの種々の膀胱症状を認める。カルンクルが小さい場合は特に症状もなく,膀胱鏡検査の際に発見されることが多い。このような症例では特に処置せず放置してよいと思われる。カルンクルが大きくなると,発生部位も尿道全周にわたり外尿道口より突出する。さらにカルンクルからの出血あるいはその部の疼痛を訴える。これらの症状を認める症例は以下に述べる切除術の適応と考えられる。ここで述べる方法はかなり古典的な術式であり,さらに改善すべき点も多いと思われる。
 カルンクルの組織像について,百瀬1)は上皮増殖を主変化とする上皮型,血管の増殖肥厚,海綿体様拡張を主変化とする血管型(第1図),炎症性変化の著明な炎症型,各種変化の混在する混合型の4型に分けている。また,宮田ら2)はカルンクルの組織学的観察から,本症の原因は炎症性の変化が主体をなしているとしている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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