文献詳細
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交見室
著者: 小柴健1 高崎悦司2 河辺香月3 河村信夫4
所属機関: 1北里大泌尿器科 2獨協医大泌尿器科 3東京大泌尿器科 4東海大泌尿器科
ページ範囲:P.1134 - P.1135
文献概要
Polypectomy snareを利用して有茎性の膀胱腫瘍をその茎部で切断し,腫瘍を一塊として切除する方法(臨泌,33巻9号,北村論文)は,たしかに新らしい手技であり,興味深く通読した。機会があつたら筆者も一度ためしてみたいと思つている。
しかし,その実施に際して私が一番危惧するのは,一塊として切除した腫瘍を膀胱内から除去する点である。著者らはsnareを改良すれば3cm以上の径の腫瘍も茎部で切除することが可能とのべているが,それを一塊のままで膀胱から除去するのは極めて困難であると思う。腫瘍が大きい場合にはsnareを用いてさらに分割するとのべているが,茎を失つて膀胱内を浮遊している腫瘍を捕捉して細断するのは,実際上は非常にめんどうな時間のかかることになりかねない。はじめから吸引除去容易な大きさの切片に順次切除して基底部に達する方が,むしろ容易な手技とはいえないだろうか。なれた術者なら3〜4cm径の有茎性腫瘍を従来の切除鏡を用いて切除するのには,せいぜい5〜10分もあれば十分である。
掲載誌情報