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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科33巻12号

1979年12月発行

綜説

腎とカルシウム

著者: 白木正孝1 高橋龍太郎1 折茂肇1

所属機関: 1東京都養育院付属病院内分泌科

ページ範囲:P.1151 - P.1162

文献概要

はじめに
 ヒトの血中カルシウム(Ca)濃度は,他の電解質に比べ,比較的狭い範囲にコントロールされている。この血中Ca濃度のコントロールには,副甲状腺ホルモン(PTH),カルシトニン(CT),およびビタミンD(Vit.D)が関与しているが,これらcalcium regulating hormonesは,腎をその標的器官としている。
 したがつて,腎機能障害を来す種々の病態においては,これらcalcium regulating hormonesの代謝異常を惹起し,このため更に血清Ca,P異常,骨病変および軟部組織石灰化などの病態を呈するにいたる。特に近年慢性腎不全例の透析療法が進歩した結果,これら患者の長期生存が可能となつてきたため腎不全例のCa代謝異常症は,その出現頻度も飛躍的にまし,かつ患者の予後を決定する程の重要性を有するに至つている。しかし,この分野における最近の知識の集積量は膨大なものがあり,これらの知見を基にして,慢性腎不全例のCa代謝異常症の治療手段もまたつぎつぎと開発されつつある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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