臨床泌尿器科33巻2号

1979年02月発行

原著

副腎手術の麻酔に対する検討

著者： 森下英夫¹ 高木隆治¹ 丸山正則²

所属機関： ¹新潟大学医学部泌尿器科学教室 ²新潟大学医学部麻酔科学教室

ページ範囲：P.167 - P.172

文献概要

緒言
　術前からの高血圧に加えて，手術操作によるさらに急激な血圧上昇や，腫瘍摘出後の低血圧などの激しい血圧変動と不整脈の出現などから，褐色細胞腫は摘出術の麻酔中，困難なものの1つとされている。しかし，副腎摘出術においては，褐色細胞腫に限らず，原発性アルドステロン症，クッシング症候群の場合にも類似の傾向がみられることがある。本学における過去7年間の副腎腫瘍摘出例45例と副腎自体には異常のみられない乳癌再発に対する副腎摘出例30例を総括し，各疾患群での比較検討をおこない，主として麻酔管理上の問題点を考察したので報告する。