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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科33巻4号

1979年04月発行

文献概要

原著

泌尿器系末期癌患者の臨床的観察

著者: 近藤猪一郎1 公平昭男1

所属機関: 1神奈川県立成人病センター泌尿器科

ページ範囲:P.371 - P.377

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 癌は,早期発見,早期手術が唯一の根治療法である。しかしながら,初診時に,既に進行した癌であることも少なくない。特に,泌尿器系の腫瘍は,集団検診が不可能なこと,初発症状が必ずしも癌の初期に出現するとは限らないこと,あるいは,その発生部位から医師にかかるのを躊躇する傾向が強いことなどのため,最初から進行期癌であることが多い。したがつて,末期癌に対する対策も臨床医にとつて重要な問題である。
 末期癌という言葉は,一般によく使われている。阿部(1967)1)によると,末期癌は次のように定義される。①病勢の進展度よりみて永続治癒を期待し難い時期,②臨床上悪性腫瘍の拡がりによつておこる種々の病態のため,患者の生命が著しく制限されている状態。しかしながら,個々の患者であらためて考えてみると,どの時期から末期というのか,なかなか難かしい。そこで,この定義を参考にしながらわれわれの病院で最後まで観察し得た症例について,死亡前6カ月から死亡までを1カ月毎に分けて,全身状態,自覚症状などの観察を試みた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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