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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科33巻5号

1979年05月発行

手術手技 外来小手術のコツ

包茎の手術

著者: 山田智二1

所属機関: 1北海道大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.427 - P.429

文献概要

緒言
 包皮輪が狭小で亀頭をこえて反転できない真性包茎(先天性または後先性)は手術が必要である。いわゆる仮性包茎でも思春期以後勃起,性交の際,包皮の反転が困難な場合,あるいは再三亀頭包皮炎を繰り返すような症例,さらに嵌頓包茎をきたした時などには手術が必要となる。
 包茎の手術にはいろいろな術式があるが,従来思春期前ことに幼小児の手術では,術式が簡単なこと,さらに環状切除術により亀頭を完全に露出すると刺激により種々好ましくないことが誘発される恐れがあることなどから,幼児においては背面切開法が推奨されてきた。しかし,この方法は時には亀頭腹面の包皮が浮腫状硬結をきたしてのち醜形を残すことがあり1),また包皮の過長なものには仮性包茎の状態を招くことなどより,できれば環状切除術を行なつた方がよいと思う。ただし高度の亀頭包皮炎,嵌頓包茎などの時には応急の処置として背面切開を行なつて炎症浮腫消褪後,二次的に環状切除術による根治的形成手術を行なつた方がよい2)。環状切除術の術式にも種々の方法があるが,術後包皮の過不足が起こらないように多少面倒ではあるが,包皮の内板と外板とを別々に切開する術式を推奨したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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