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原著
腎細胞癌における尿細胞診の検討
著者: 里見佳昭1 高井修道2 近藤猪一郎3 福島修司4 古畑哲彦5 吉村義之6
所属機関: 1横須賀共済病院泌尿器科 2横浜市立大学医学部泌尿器科 3神奈川県立成人病センター泌尿器科 4横浜市民病院泌尿器科 5国立横須賀病院泌尿器科 6横浜市立大学医学部第一病理
ページ範囲:P.445 - P.449
文献購入ページに移動膀胱腫瘍や腎盂尿管腫瘍の診断には尿細胞診は重要なものとしてその臨床的価値が認められているが,腎細胞癌においては,その陽性率は低く診断的価値が少ないと言われているだけで,十分な検討がまつたくといつてよいほどなされていない。現在まで,内外の文献が論じているのはただ,その陽性率のみで,Papanicoloau1)の12例中9例(75%)が最高で,他はLiebermanら2)の9例中1例(11%),林田ら3)の6例中2例(33%),吉田ら4)の5例中陽性例なし(0%)などであり,例数が少なく陽性率を論ずるにも不十分なものである。
今回,われわれは,比較的多数例で,腎細胞癌における尿細胞診の陽性率,診断的意義について若干の検討をしたので報告する。
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