文献詳細
原著
超音波監視下経皮的腎瘻造設術
著者: 澤村良勝1 中山孝一1 田島政晴1 三浦一陽1 安藤弘1
所属機関: 1東邦大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.553 - P.558
文献概要
種々の原因によつて起こる尿管の通過障害のため急性腎不全を招来して,緊急に腎瘻造設術を行なう必要に迫られることがしばしば経験される。このような場合,患者は一般にpoor riskで,麻酔の導入や手術の侵襲に耐えられない状態のことが多く,治療当事者は手術を敢行するとすれば相当の危険を覚悟しなければならない。したがつて,このようなcriticalな場合の腎瘻造設術は最も侵襲の少い手術が理想的である。こういう観点から事態を処理しようとすると,局所麻酔下で行なう経皮的腎穿刺法による腎瘻術は最も合理的な手術であるといえる。
腎穿刺法による腎瘻術を最初に記載したのはGoodwinら(1955) 1)である。その後,この方法にも幾多の変遷があり改良工夫が加えられて来たが2〜4),その穿刺法は腎盂に対して大凡の方向を定めほとんど盲目的に針を刺入するか,またはX線透視下の腎盂像を目標として針を刺入する方法であつた。
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