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原著
ウイルムズ腫瘍の治療と予後—26例についての検討
著者: 日台英雄1 中尾日出男1 福岡洋1 高井修道1 松山秀介2 河合恒雄3 田口裕功4 寺島和光5 吉邑貞夫6 堀内満水雄7 里見佳昭8 高橋剛9
所属機関: 1横浜市立大学医学部泌尿器科学教室 2横浜市立大学医学部小児科学教室 3癌研究会付属病院泌尿器科 4国立相模原病院泌尿器科 5神奈川こども医療センター泌尿器科 6小田原市立病院泌尿器科 7県立足柄上病院泌尿器科 8横須賀共済病院泌尿器科 9静岡子供病院泌尿器科
ページ範囲:P.559 - P.564
文献購入ページに移動1920年代には絶望的ともいえる10%程度の生存率1)しかえられなかつたウイルムズ腫瘍も小児外科,小児麻酔,術前術後管理の進歩やX線照射の併用により1940年代になるとGrossら2)は50%近い治癒率を報告しうるようになつた。更にFarber3)やFernbachら4)のアクチノマイシンD (以下AMDと略)導入により著しく治療成績は向上しD'angio5)らはNational Wilms' Tumor Studyにてgroup1X線併用群の2年生存97%という驚異的成績を報告している。
本邦における治療成績も1970年代に入つてから向上しつつあるというものの,報告の症例数が少ないことやその成績が欧米に比し未だ劣つているといつた問題があげられる。このため横浜市立大学医学部泌尿器科教室および関連施設において経験したウイルムズ腫瘍症例について(われわれの症例数も少ないうらみはあるものの)治療法と成績,予後を左右する因子について若干の検討を加えて報告する。
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