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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科33巻7号

1979年07月発行

手術手技 外来小手術のコツ

除睾術

著者: 柴山勝太郎1

所属機関: 1群馬大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.641 - P.642

文献概要

 除睾術は泌尿器科領域における小手術の代表的なものである。適応となる疾患としては外傷,睾丸捻転症,梗塞,結核性副睾丸炎,睾丸腫瘍および前立腺癌などが挙げられる。睾丸捻転症については,早期診断の目的で試験切開を行なつた結果,除睾術が必要となることがある。最近では稀となつたが,瘻孔をつくつている結核性副睾丸炎では,除睾と共に瘻孔の切除が必要となる。睾丸腫瘍では根治的手術として除睾と共にリンパ節廓清が行なわれるが,既に遠隔転移の明らかなものについて組織診断の目的で,また根治的手術の第一段階としてまず高位除睾術を施行することがある。前立腺癌ではantiandrogen療法の目的で除睾が行なわれる。この際睾丸全摘出術のほか,陰嚢内が空虚になることの精神的影響を考慮して,睾丸実質のみを除去する被膜内除睾術が行なわれることがある。しかし,この術式については,Leidig cellの残存する可能性が考えられ,antian-drogen療法の目的からは若干問題が残る。以下除睾術の手順につき述べ,著者の留意している点に二,三言及する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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