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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科33巻7号

1979年07月発行

手術手技 外来小手術のコツ

除睾術

著者: 平石攻治1

所属機関: 1徳島大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.643 - P.644

文献概要

 除睾術という言葉の意味は,現在混乱しているように思える。医学用語辞典によれば,castrationは去勢術であり,orchiectomyは睾丸摘出術または除睾術となつている。またemasculationは,完全去勢術または除勢術である。Dorland's Medi-cal Dictionaryをみると,castrationはremoral ofgonadsであり両性に使用でき,orchiectomyはexcision of one or both testicles,またemasculationは,1)excision of the penis,2)castrationと述べられている。したがつて除睾術とは,1側もしくは両側の睾丸のみを摘出することを意味すると解釈すべきであるが,むしろ睾丸副睾丸摘出術(orchioepididymectomy)に使用されることが多く,時には去勢術の意味に使う人も少なくない。このため泌尿器科においては,睾丸摘出術は睾丸のみ,除睾術は睾丸,副睾丸を摘出する術式であると考えれば,意味の取り違いは少ないと思われる。去勢術は両側の睾丸副睾丸の摘出に,完全去勢術または除勢術は陰茎,陰嚢,睾丸,副睾丸すべての摘出に使用すれば,混乱は起こらないと思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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