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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科33巻7号

1979年07月発行

原著

いわゆる特発性腎出血について—特に血管像および腎組織像による検討

著者: 村上信乃1 五十嵐辰男1 一桝泰一1 伊良部徳次2 重松秀一3

所属機関: 1旭中央病院泌尿器科 2旭中央病院内科 3千葉大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.689 - P.694

文献概要

 泌尿器科領域において肉眼的または顕微鏡的血尿を有する患者は多く,したがつて血尿は最も普遍的な症状の一つと言えよう。これら血尿を主症状とする疾患の大部分は外来での泌尿器科的検査(膀胱鏡,腎盂撮影など)で診断がつくが,中にはそれらの検査で異常を検索し得ずいわゆる特発性腎出血として治療を行なう例も多い。当科で1977年4月より1978年12月までの1年9ヵ月間に初診時血尿(肉眼的,あるいは顕微鏡的に尿沈渣で赤血球が400倍視野で10個以上認められる時)を有した患者595例のうち,尿路感染症,尿路結石,腫瘍,外傷,奇形などの外来の検査で一応診断し得た例は514例(86.4%)であつたが,残りの81例(13.6%)は診断がつかず,原因不明の血尿あるいは特発性腎出血として扱われた(第1表)。今回,われわれは外来検査で診断がつかなかつた81例のうち,血尿が長期間持続したり頻回に反復する比較的症状の強い症例36例を選び,更にその血尿の原因を検索するため,入院の上,血管撮影および腎生検を行ない若干の知見が得られたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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