文献詳細
交見室
神経因性膀胱における排尿改善について/泌尿器科領域における中国式耳介穴探索法について
著者: 時実昌泰1
所属機関: 1兵庫医大泌尿器科学教室
ページ範囲:P.714 - P.715
文献概要
神経因性膀胱における排尿改善の一法としてTUR-bladder neckおよびTU distal sphinctcrotomyが一般的でありますが,積極的にTUR-Pを行なう立場もあります。私も膀胱頸部の切開,切除にとどまらず,完全なTUR-Pを行なつた方が排尿効率がよい場合が多いと考えています。それは,前立腺の肥大,感染,結石などが併存していてneurogenic dysfunctionに加重している場合はもちろん,閉塞機転がなくても,α-adrenergic優位の括約筋尿道の一部でも切除されれば,用手排尿,薬物治療などの一助としてより有効かとの期待からです。著者らの方法は外科的被膜を露出させたのち,前立腺尖部では前立腺外腺の一部を切除されるわけで,おそらくintrinsic striatcd muscleの遠位部,いわゆるrhabdosphincterを切除する,一種のsympathectomyと拝察します。
掲載誌情報