文献詳細
原著
尿管内灌流法を用いた膀胱壁内尿管機能の評価の試み
著者: 森田隆1 佐伯英明1 和田郁生1 土田正義1
所属機関: 1秋田大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.1063 - P.1067
文献概要
膀胱尿道から成る下部尿路に関しては,従来からのcystometryに加えて,urethral pressure pro-file,尿道外括約筋筋電図などの検査法が広く普及し,最近では造影剤を用いて実際の排尿状態を肉眼的に観察しながら,上記の機能検査を同時に施行することさえ可能になりつつある。しかし,尿管については未だ臨床的に有益な機能検査法は少なく,私達が行なつている尿管機能検査は, 1)排泄性または逆行性尿管造影で尿管の形態および尿管蠕動を間接的に観察する。
2)膀胱鏡で尿管口の形態および蠕動収縮を直接観察する。
3)尿管筋電図法により尿管蠕動放電を記録する。
などがある。尿管機能評価法として尿管内圧記録がこれまで臨床面であまり応用されなかつたのは,尿管蠕動によつて尿管内圧は刻々と変化し,その内圧測定にあまり大きな意味を見い出しえなかつたためと考えられる。
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