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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科34巻11号

1980年11月発行

追悼

Belt先生の想い出

著者: 南武1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.1113 - P.1113

文献概要

 Belt先生御夫妻が昭和33年東京においでになつた時,御希望により知人の宮内庁病院の目崎鉱太博士に頼んで,皇居のお庭を御案内した。その時,漢字にもよく通じておられることに驚いたことがある。昔,跳ね橋があつたという宮城内の堀のそばを歩いている時,水から思い出されたのであろう,メモ用紙に海を初め「さんずい」のつく字をいくつか書いて,これのつく字は水に関係しているんですね,と言われたり,木偏の字も何字か書いてその意味をいわれたことが思い出される。博学な先生であつた。また,これも先生からの御希望で日本民芸館にも御案内したが,民芸品と限らず美術,芸術に深い興味と造詣を持つておられるのに敬服した。私は初めてだつたし,探してそこに着いた時にはすでに門限の四時を少しすぎていて受付の処でことわられた。ところがちようどそこに車椅子に乗つた館長の柳宗悦先生が御帰りのために出てこられた。そこで走り寄つてBelt先生のことを説明して特に観覧を許していただいた。あの時Belt先生御夫妻にお見せすることができて良かつたと思つている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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