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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科34巻12号

1980年12月発行

交見室

抗癌剤膀注併用温水圧療法について,他

著者: 岡田清己1

所属機関: 1日大泌尿器科

ページ範囲:P.1206 - P.1207

文献概要

 臨泌34巻10号掲載の石塚氏らの「抗癌剤膀注併用温水圧療法」(以下本法とする)はわれわれにとつて非常に興味のある論文であつた。膀胱腫瘍の保存的治療法のうちで,抗癌剤注入療法,水圧療法,温水療法などの手技,成績,副作用,予後に関してはすでに発表され,それぞれの長所,短所も明らかとなつてきている。そのことから,本法はこれら三療法の長所を兼ね備えていることが期待される。すでにLudgateら(Brit.J.Urol.,1976)は温水療法に水圧療法をやや加えた結果を報告し,腫瘍に対する効果と,膀胱出血の止血効果をあげている。ここで温水療法単独と比較しつつ,本法に対する私見をのべたい。
 1)手技:実際に知る必要のあるのは腫瘍温度である。われわれは手術時に直視下で腫瘍温度測定を試み,流入温度46℃,流出温度45℃のとき,腫瘍温度は44℃近くであることを確認し,流出温度45℃を標準の温水療法時の温度と設定している。しかし,これは平均値であつて,流入速度,腫瘍の部位,大きさ,腫瘍内血流分布などで温度差があると考える。本法では膀胱内温度を42℃と定めているが,その基本となつた考え方,測定方法などもう少し明らかにしてほしい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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