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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科34巻2号

1980年02月発行

文献概要

手術手技 外来小手術のコツ

内尿道切開術

著者: 畠亮1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.119 - P.121

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 尿道狭窄は尿道固有膜に線維芽細胞とコラーゲンが増殖して瘢痕を形成し弾力性が失なわれることによつて生じる。組織学的にみて白血球浸潤が強いものでは炎症性由来が考えられる。外傷性の場合には白血球浸潤は軽度であり,先天性の場合にはほとんどみられないのが普通である。尿道狭窄の大きな原因であつた淋菌性尿道炎と結核は確かに減少したようであるが,その分,社会構造の複雑化とともに外傷が増えてきている。また最近では経尿道的手術の飛躍的発展とともに,Post-TURの尿道狭窄が増えてきており,TUR-Pによつて排尿状態が劇的に改善され感謝をこめて退院した患者が数ヵ月して再び尿線狭少を訴え来院するということは稀ながら経験することである。TUR-P後の尿道狭窄の原因は不明だが,4〜12%に生じるといわれており,Lentz,Jr.らは外傷にともなう尿浸潤と炎症,瘢痕形成,尿道内圧上昇との間に悪循環が形成されるとspeculateしている1)。そして術前に尿道狭窄の有無を検索することが大切であり,そのような場合には,perinealurethrotomyによるTURあるいは術前にintemalurethrotomyを行なうことによつて術後の尿道狭窄を予防する必要性があると強調している。ていねいな,そして無理のないサイズの器械操作が大切なのはいうまでもない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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